2011.04.17
遺伝、ストレス、ホルモンの異常、アレルギー、間違ったヘアケア、ダイエット、産後脱毛、円形脱毛、食生活の乱れなど、原因は様々ですが、頭皮のトラブルに悩む女性は確実に増加し、脱毛の悩みは現象面のみならず心理面・精神面に与える影響が大きく、ときには人生を変えてしまうようなこともあります。
かつては女性の頭頂部を中心に薄毛になる遺伝的な薄毛・脱毛は「女性の男性型脱毛」とよばれていましたが、最近は「女性型脱毛」(Female Androgenetic Alopecia = FAGA)と言われるようになってきました。
女性の場合も副腎から男性ホルモンが分泌されており、遺伝的基盤を持っていると、30代後半の更年期を迎える頃から女性ホルモンと男性ホルモンのバランスが崩れるようになり、細毛化、薄毛化が起こってきます。
男性の場合との決定的な違いは劣性遺伝であることや、男性ホルモンの力が弱いために、男性のような前頭部のヘアラインが後退することや、ツルッとした無毛に近いハゲには通常なりません。
びまん性脱毛(病変がはっきりと限定することができずに広範囲に広がっている状態を指し、一本一本がまばらに抜けて薄くなっていきます)の多くは、栄養代謝障害、内分泌疾患など全身性疾患にともなう脱毛で、その多くが脱毛部皮膚に炎症や萎縮などの明らかな病的皮膚病変がなく、頭部全体の髪が薄くなってくるもので、男性にも起こることがありますが、中年以降の女性の頭頂部や分け目によくみられることから、女性の脱毛はびまん性脱毛であると表現されることがあります。
FAGA、女性型脱毛症は症状の名称で、びまん性脱毛(Diffuse alopecia)は抜け方の名称ですがこれらは同じように使われることがあります。
(全理連中央名誉講師 板羽忠徳)
この記事は理楽TIMES 第425号より抜粋しました。